糸リフト
はじめに
“たるみは老化の敵! 糸(スレッド)で引き上げよう” なんてキャッチコピー、遭遇する機会が増えてきました。海外だけでなく日本国内でも、糸リフト(スレッドリフト)は、”切らないフェイスリフト” と言われ、大人気の施術となっています。そして、1mmの穴からスレッドを挿入し、たるみを引き上げて、同時に美肌効果も引き出すことが最大の魅力と言われています。
そんなスレッドリフトですが、施術数が増えれば増える程、「引き上がった感じがない」なんて不満の声も出てきているようです。また、「糸が口の中から出てきた」「糸の筋が目立っている」なんてトラブルも非常に増えているのが現状です。
このページでは、スレッドリフトについて詳しく解説していきます。当院の解説を読んでいただき、「やってみようかな〜」と前向きになってくれたら、ぜひご相談ください。
スレッドリフトをオススメしたい方
・フェイスラインをシャープにしたい方
・頬のたるみを改善したい方
・肌のハリを取り戻したい方
・ほうれい線やマリオネットラインを改善したい方
・短いダウンタイムでリフトアップしたい方
SSC式スレッドリフトの特徴
・お悩みに合わせてカスタマイズ(糸の種類・本数・方向など)
・他施術との併用で効果アップ
・シンプルな料金設定
スレッドリフトとは?
スレッドを皮膚の下(皮下脂肪層)に通し、たるみの原因となっている皮膚・皮下脂肪組織を引き上げる施術です。これによって、皮膚を切ることなく、たるみ・しわ・肌のハリなどの改善が期待できます。
使用するスレッドにはコグ=ひっかかりが多数ついているため、皮下脂肪層を通す際にに引っかかり、引き上げたい方向へ持ち上げることが出来ます。コグの付き方やスレッドそのものの材質などはさまざまで、目的や部位によって使い分けていきます。
また、皮下脂肪層に通したスレッドは、線維芽細胞を活性化し、コラーゲン線維の生成を促します。リフトアップだけでなく美肌効果といったW効果が得られる、ありがたい施術です。
スレッドリフトの歴史
かつて、たるみ治療の主流は”切るフェイスリフト”でした。切って引き上げるため、ダイナミックな効果が得られる一方で、目立つキズアトや重篤な合併症(顔面神経麻痺)が課題でした。
その後、より負担の少ないSMAS法などが登場しました。手術時間は短縮され、キズアトも目立ちにくく、合併症のリスクも軽減された結果、多くの患者さんに受け入れられるようになりました。それでも外科的手術には変わりなく、「もっと手軽に若返りたい」というニーズに十分応えることはできませんでした。
そこで登場したのが、皮膚を切らずに引き上げてくれるスレッドリフトでした。2000年代に入り、ダウンタイムが圧倒的に短く、気軽に受けられる若返り法として世界中で広まったのです。初期には、体内に残るスレッド(非吸収性)が使われていました。引き上げ効果が高い一方、感染や引き攣れなどのトラブル時に抜くことが難しいという問題点がありました。
現在では、体内で自然に吸収される溶ける糸(吸収糸)が主流となっています。最新のスレッドでは、リフトアップ効果だけでなく、肌のハリやツヤを高める美容効果も期待できるようになっています。
顔の脂肪は移動(下垂)する!

人間の顔には、黄色で示したように浅い脂肪(左)と深い脂肪(右)が存在します。それぞれの脂肪には、部位ごとに名前が付けられています。浅脂肪と深脂肪の間にはSMASとも呼ばれる表情筋が存在し、顔面神経は主にSMAS下を走行しています。靭帯は、土台となる顔面骨から皮膚を支え、まるで幹のようなイメージです。

残念ながら、年齢を重ねると、脂肪は元々の位置を保てなくなります。多くの場合、重力に負けて崩れ落ちていくイメージです。これは、加齢による骨萎縮・支持靱帯のゆるみなど、さまざまな理由によるものです。つまり、絵で描いたように、顔の皮下脂肪は下垂していきます。こうして ”たるみ” が生まれ、多くの方を悩ませるようになります。
スレッドでは、浅層脂肪を引き上げる
吸収性スレッドを挿入することで、下垂した脂肪を元々の位置へ、加齢した状態から若い状態に戻します。

青がコグ付きスレッドで、1mmほどの小さい穴から挿入し、浅い脂肪層に進めます。注意したいことは、引き上げる対象は、皮膚や深い脂肪ではなく、浅い脂肪である点です。スレッドリフトでは、浅層脂肪の移動を行うことにより、リフトアップを図ります。

左は、オレンジ色の靭帯がゆるみ、黄色い皮下脂肪や皮膚が下垂している状態を示しています。青いスレッドを皮下脂肪層に挿入することで、脂肪は上側に移動して靭帯もシャキッとして、リフトアップしています。
深い脂肪層にもアプローチしたいところですが、表情筋より下には太い血管や顔面神経が走っており危険です。例えば、バッカルファットは糸で引き上げるのではなく、口腔粘膜を切開して取り除きます。
実は… 美肌効果もある
吸収性スレッドでは、引き締め・リフトアップのみならず、美肌効果も期待できます。もちろん、スレッドの素材によって、得られる効果は変わります。スレッドの種類は代表的な主にPDO, PCL, PLA/PLLAの3つが知られています。最近は、ここに挙げた以外の新スレッドがどんどん開発されています。それぞれのポイントについて、表にまとめてみました。

糸が万全でない理由と対策
「糸を入れても、溶けちゃうんでしょ。だから、リフトアップ効果も数ヶ月で終わるんでしょ?」 「顔の中央方向にスレッドを入れらんないの?」とよく質問されます。

スレッドを入れた後は、右のように、スレッド周囲にコラーゲンが生成され、浅層脂肪がリフトアップされた位置で固定されるイメージとなります。時間経過と共に、引き上げた組織が後戻りすることは事実です。しかし、リフトアップ効果がゼロという訳ではなく、将来的にたるむリスクを軽減させてくれる効果があるのです。
また、挿入するスレッド本数が少ない場合には、直後の効果を感じにくい可能性すらあります。これは、脂肪の重みに対し、スレッドが負けてしまうためです。脂肪のボリュームがある方には、顔の脂肪吸引をした後に、スレッドを挿入するプランをオススメしております。
もう1つ。糸リフト自体は柔らかい素材。しかし、脂肪層に進めるためには、ある程度の硬さが必要なのです。

糸は、硬いサヤに入っている硬くて長いサヤは、平面は得意なのですが、曲面を苦手とします。

顔の部位により、糸の得手・不得手がある
顔の中央方面に進めるためには、頬の隆起を超えなければならないため、挿入は難しくなります。
それでは、どのような対策をすればよいか?まずはヒアルロン酸注入。こめかみ・頬部に注入すると、さらなるリフトアップ効果を狙えます。次に、フェイスライン+顎下脂肪吸引。これを行うと、糸リフトによる引き上げ効果が高まります。バッカルファット除去。糸リフトでは効果を出せないエリアの脂肪を吸うことで効果を高めます。
最後に。効果は、施術直後から実感できますが、肌の質感に関しては1ヶ月後からです。タイトニングに関しても2-3ヶ月後からです。
トラブルは技術でカバーできる
「糸が口の中から出てきた」「糸の筋が目立っている」「糸を入れた部分が窪んでいる」なんてトラブルが散見されます。これらは技術的にカバーできるトラブルです。糸リフトに興味のある方、ぜひぜひ私にご相談くださいね。
Q/A
Q1 : 糸リフトした後どの位で、顔のマッサージなどを受けて大丈夫ですか?
A1 : 糸自体は熱に弱く、周りの組織と馴染むまで約1ヶ月要します。マッサージやインディバは、術後1ヶ月経過してから行うことが望ましいです。
Q2 : 糸リフトは何回まで可能ですか?
A2 : 糸は何回でも入れることは可能で、制限はありません。しかし、毎回入れる部位を変えたり、違うタイプの糸を使う工夫は必要でしょう。
Q3 : リフトアップ効果は、どの位続きますか?
A3 : 挿入する糸の種類や本数により違います。
TESS リフトは、1-2年続くと言われています。
Q4 : 糸リフトのダウンタイムは?
A4 : 糸って長さ・形状が様々なんですよね。
浮腫・内出血は2週間以内なのです。
しかし、表面上の変形を認める場合には、◯ヶ月単位のダウンタイムとなル可能性もあります。
症例



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