女性化乳房 (胸の脂肪吸引)
女性化乳房(Gynecomastia)とは、男性の胸が女性のように膨らんで見える状態を指します。
胸の膨らみの原因は、大きく分けて乳腺組織の増殖と皮下脂肪の増加です。実際には、その両方が混在していることも少なくありません。
「胸が目立つので人前で裸になれない」
「Tシャツや薄手の服を着ると胸の膨らみが気になる」
「温泉やプール、ジムに行くことをためらってしまう」
このように、女性化乳房は見た目の問題だけではなく、日常生活や心理面にも大きな影響を与えることがあります。
一方で、すべての胸の膨らみが女性化乳房というわけではありません。まれではありますが、病気が隠れていることもあるため、まずは原因を正しく見極めることが大切です。
女性化乳房の原因
女性化乳房の原因は、主に次の3つに分類されます。
① 思春期にみられる女性化乳房
最も多いのが、思春期のホルモンバランスの変化によって生じる女性化乳房です。成長期には男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが一時的に変化するため、乳腺が発達し、胸が膨らむことがあります。多くの場合は数か月から数年で自然に改善するため、経過観察となることが少なくありません。
② 病気や薬剤による女性化乳房
ホルモン異常や肝臓・腎臓の病気、内分泌疾患などが原因となることがあります。また、一部の内服薬の副作用として女性化乳房が生じることも知られています。
さらに、胸の膨らみの原因が女性化乳房ではなく、
- 男性乳がん
- 脂肪腫
- 神経線維腫 など別の病気である場合もあります。
頻度は高くありませんが、適切な治療が必要となることがあるため、見逃してはいけません。
③ 原因が特定できない女性化乳房
実際の診療では、詳しく検査を行っても明らかな原因が見つからない「特発性女性化乳房」が多くみられます。このタイプでは自然に改善することは少なく、長期間にわたり胸の膨らみが続くことがあります。
診察で病気が疑われる場合には、原因を詳しく調べるために、
- 採血検査
- 超音波(エコー)検査
- 必要に応じて組織検査(生検)
などを行います。
これらの検査によって病気が見つかった場合には、まず原因となる病気の治療を優先します。病気に対する治療は保険診療で行われます。まず「病気ではないこと」を確認したうえで、整容面の治療について検討することが重要です。
「胸板」と「女性化乳房」の違い
男性らしい胸の印象を決めるのは、発達した大胸筋による上胸部の厚みです。
一方、女性化乳房では、乳頭の下から下胸部にかけて膨らみが目立つため、胸全体が丸みを帯びた印象になります。

整容目的で胸の膨らみを改善する治療
原因となる病気を治療しても、一度大きくなった乳腺や皮下脂肪は元に戻らず、胸の膨らみだけが残ることがあります。また、原因不明(特発性)の女性化乳房では、自然に改善することはほとんど期待できません。
このような場合には、手術によって胸の形を整えることができます。
手術では、
- 脂肪吸引によって余分な皮下脂肪を除去する
- 必要に応じて乳腺を切除する
ことで、男性らしい自然な胸の輪郭を目指します。
手術では、この下胸部の膨らみを適切に取り除き、胸板のラインが自然に見える胸部形態を目指します。過剰に取りすぎると凹凸や変形につながるため、単に乳腺や脂肪を除去するだけではなく、胸全体のバランスを考えながら丁寧にデザインします。
女性化乳房手術の流れ
①目的部位のデザイン

②麻酔
”ボーッとした状態"を作り、痛みを取ること” がとても大切と考えています。
これを叶えてくれるのが、静脈麻酔と局所麻酔の併用です。点滴から眠くなる薬(静脈麻酔薬)を投与した後、ボーッとした状態で局所麻酔を撒き、さっと痛みを取ってしまいます。施術中は、痛みや寒さで起きることがないよう、しっかりと麻酔管理していきます。ご安心ください。
マーキングした吸引口に、約3.5mm大の小さい穴を開けます。この穴は、吸引エリアによって異なるのですが、全ての工程をこの穴から行います。まず、皮下脂肪層へ麻酔液(チュメセント液)を散布していきます。
③脂肪の吸引
次に、麻酔液でパンパンに満たされた皮下脂肪を吸引していきます。主にSFエリアですので、凹付かないよう均一に吸引します。
④ 確認、創部縫合閉鎖、吸引部の圧迫
脂肪吸引術は、”吸引したら完結” ではありません。少なくとも3ヶ月間、吸引部を均一に圧迫し、仕上げていくことがポイントです。具体的に書くと、翌日まで包帯圧迫・それ以降、圧迫着を24時間着用します。術後1週間目で抜糸し、それ以降、圧迫着を12時間着用します。ボディは3ヶ月間の着用を推奨しております。
なお、経過中は、筋肉痛の様な痛み・内出血・むくみが出ます。
まとめ
施術時間:2時間
ダウンタイム:抜糸あり(術後7〜10日程度)。内出血・腫れは2〜4週間程度で落ち着きますが、完成までは約3〜6ヶ月です。
リスク:左右差、内出血、腫れ、感染、血腫、創部の傷あと、乳頭・乳輪の感覚変化、皮膚のたるみ、陥没変形、再発 など
麻酔:静脈麻酔(全身麻酔)
シャワー:手術翌日から可能(創部は医師の指示に従ってください)
入浴:抜糸後または創部の状態を確認後から可能
術後の注意点:術後24〜48時間はできるだけ安静にしてください。術後は圧迫バンドを医師の指示に従って着用してください。激しい運動や胸部への強い刺激は約1ヶ月間お控えください。
治療の有効性:乳房のふくらみを改善し、男性らしい自然な胸部のラインへ整えます。脂肪性・乳腺性の女性化乳房に対して効果が期待できます。
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