内反症に対する手術

内反症とは?

ひとくちに内反症といっても、まぶた全体が内側に入り込む眼瞼内反・睫毛のみが入り込む睫毛内反に分類されます。眼瞼内反は、まぶた全体が内側に巻き込んでしまっている状態。睫毛内反は、本来は外側に向かって生えているハズのまつ毛が、何らかの原因で内側 (眼球の方向) を向いてしまっている状態を指します。

原因は、先天的なもの・後天的なものに分類されます。先天的なものは、目周り組織(LER穿通枝・LER・眼輪筋・靭帯など)が弱いため。後天的なものは、加齢によって目周り組織が弱まることが原因。その他の要因としては、事故などによる外傷・甲状腺疾患などが考えられます。

こんな症状、ありませんか?

内反症は、目に何も症状がなければ、そのまま放置しておいても構いません。

しかし、マブタがゴロゴロする、涙や目ヤニが増える、目が充血する、まぶしく感じる…といった角膜刺激症状が出現したら、結膜炎や角膜炎を起こしている可能性が高いです。残念ながら、角膜が何度も傷つくと、白濁して視力が落ちることもあるので、注意が必要です。

そして、上まぶたも下まぶたも、モッコリしててキワが不明瞭になっていると、美しくみえなくなってしまいます。

治療について

上まぶたについては、二重を作ることで、内反症を改善させることができます。詳しくは、埋没法や二重全切開のページを参照にしてください。ここでは、主に下まぶたについて解説していきます。

自然に改善することも多い

特に、乳児期のまつ毛は、細く柔らかいため刺激や痛みは生じません。また、年齢が上がると、まつ毛が外を向いて改善することが多いのも事実です。乳幼児期の睫毛内反の発生頻度は約20%、就学前には半減、中高生では数%まで低下するという報告があります。

治療対象となる方は?

3歳以上で角膜刺激症状のある方は、手術の絶対適応となります。その他、生活に不便が出てしまう症状があれば手術適応となってきます。

下眼瞼の解剖

皮膚の下には、皮下脂肪・眼輪筋・瞼板・下眼瞼牽引筋腱膜 (LER)・靱帯が存在します。下眼瞼皮下にはLER穿通枝が入り込んで、表面の緊張が保たれています。そして、瞼板は、吊り橋のように周りの構造物に引っ張られ、一定の位置に収まっています。垂直方向は下眼瞼牽引筋腱膜 (LER)、水平方向は眼輪筋・靱帯に引っ張られることにより、深部の緊張が保たれています。

手術方法は?

治療法は、症状によって変わってきます。以下の治療法から、カウンセリングしつつ選択する流れとなります。

睫毛内反に対する埋没法

睫毛内反症に対する埋没法
結膜から皮膚に向けて通糸、LER穿通枝を再建。

ごく軽度の場合には、埋没法を選択します。再発リスクも高く、適応とならないこともあります。

睫毛内反に対する切開法

睫毛内反に対するHotz法

皮膚切開後、眼輪筋・皮下組織を切除。瞼板と皮下を糸で縫合します。

中等度以上の場合には、切開法を選択します。下北沢スキンクリニックでは、Hotz法と呼ばれている方法を行なっております。

眼瞼内反に対する治療法

眼瞼内反に対する治療法

LER後層のダッキング・LER前層の前転固定・眼輪筋の短縮をメインに行います。必要であれば、皮膚も切除します。

ただし、これらの方法のみでは、内眼角部(マブタの内側)の矯正が不十分または数%の再発があるため、内眼角形成術を併用することがあります。

まとめ

  • 施術時間:30分(埋没法)、1時間(睫毛内反に対する切開法)、2時間(眼瞼内反)
  • ダウンタイム:埋没は3日程度。切開した場合には、2週間程度。
  • リスク:糸玉露出、傷跡、外反、内出血、むくみ、感染、など
  • 麻酔:局所麻酔
  • メイクと洗顔:24時間後から可能です。創部のメイクは1週間控えてください。
  • シャワー:24時間後から可能です。
  • 術後の注意点:目元の手術ですので、術後3日間はクーリング必須です。

料金 (両側の場合、飽くまでも目安です)

睫毛内反症手術 (埋没法)

保険適用の場合、約12,000円(3割負担)・約4,000円(1割負担)

睫毛内反症手術(切開法)

保険適用の場合、約16,000円(3割負担)・約5,200円(1割負担)

眼瞼内反症手術

保険適用の場合、約26,000円(3割負担)・約8,500円(1割負担)

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