しわ・たるみ
シワ・たるみで悩んでいる方、「歳だから仕方ない」と諦めていませんか?諦めてしまう前に、読み進めていただくと、「自分は、まだまだ。やるべきことが残ってる」と気付くこができるはずです。
若々しい肌とは?
真皮層に存在する、コラーゲン(膠原繊維)・エラスチン(弾性線維)・ヒアルロン酸の存在により、潤いのある肌の張りは保たれている状態を指します。
深部に着目すると、骨は、皮膚にとって土台のような役割を演じ、脂肪組織や筋肉と共に “たるみの無いピンと張った肌” が実現されています。

若々しい肌は、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸により実現されます。
コンパートメント別、加齢変化
顔面の加齢は、男女関係なく生じる、悩ましい変化。上・中・下3つのコンパートメントに分けて考えると、分かりやすくなってきます。

図1 : 加齢で生じる、顔の変形
シワ・たるみは如何にできるか?
乾燥が強いと、角質層(ケラチン層)に水分不足が起こり、小さなシワができます。

肌が乾燥すると、角層の水分不足が起き、小ジワが出現します。
加齢・紫外線によりコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸が減少または変性すると、真皮の力が弱まります。真皮が弱いと、筋肉の力が皮膚に伝わり易く、目立つシワが出来上がります。活性酸素の発生、女性ホルモンの減少なども関与しています。

コラーゲン・エラスチンが変性または減少すると、目立つシワが出現します。
一方、加齢現象は、皮膚・脂肪組織・筋肉・骨にさまざまな変化を起こします(図4, 5)。

加齢により顔面骨は萎縮し、眼窩や梨状孔は拡大する。

加齢により、靭帯はたるむ。
顔の脂肪組織・骨が減少すると、たるんだ顔つきになります。たるみは、下方に引っ張る力(重力)によって悪化します。靭帯に囲まれたスペースに、脂肪組織が落ち込むと、目立った、たるみ・シワとなります。

① 法令線の原因 ②baggy eyeの原因 ③下眼瞼のシワ・midcheek glooveの原因 ④⑤マリオネットラインの原因 となります。

左から右へ、脂肪組織が落ち込んでタルミを作る
筋肉は、加齢と共に、顔面の構造を下向きに引っ張るようになるため、さらに悪化します。顔の表情筋には、30種類以上あります。表情筋が緊張し続けると、笑ったり怒ったり表情を作る時以外にも、シワが目立ってしまいます。これは、年齢と関係なく、目尻・眉間・額・鼻根部・顎などに特徴的です。

無表情時でも、シワが目立つようになります。
まずは予防が大切
紫外線と乾燥から皮膚を守るため、UVカットできるサンスクリーン剤・保湿剤などのスキンケア用品(化粧品)が大切になります。目立つシワ・たるみには….ということですが、シワのできるメカニズムから、どんな治療が良いか?を考えてみましょう。
①真皮層にあるコラーゲンを新たに形成させること
②ヒアルロン酸・脂肪を補充し、溝を埋めたり骨格を整えること
③筋肉の緊張を緩めること
④皮膚のたるみを取ること
これらが治療を考える上で大切なポイントです。具体的にどんな治療法があるかと言うと、
①マッサージピール、ダーマペン、フラクショナルレーザー
②ヒアルロン酸注入 、脂肪注入
③ボトックス注射
④HIFU、糸リフト、フェイスリフト手術
コンビネーション治療
シワの原因はさまざまです。上記を組み合わせると、効果的になります。患者さんのお肌の状態を観察し、最適な治療法をご提案させていただきます。
Q/A
Q1 : 目の下シワ、なかなか消えずに悩んでいます。解説をお願いします。
A1: 目の下シワ。目立ちやすい理由が3つあります。
1つ目、皮膚厚0.5mmとメチャ薄であるため。皮脂腺や汗腺が少なく、乾燥が進みやすくなります。
2つ目、真皮が薄いため。筋肉の力が表皮に伝わりやすくなります。
3つ目、マバタキを絶えず行っている部位であるため。
3つの理由から治療法を考えると、保湿・トレチノイン塗布・ボトックス少量注入が効果的と分かります。
保湿クリームは、世の中に沢山出回っています。しかし、トレチノインやボトックスは難しいですよね。
トレチノインは、ゼオスキンまたはエンビロンなどのドクターコスメ。
ボトックスは、ヒアルロン酸と混ぜて注入する水光注射がオススメですよ!
Q2 : 30代前半。下顎のたるみ、糸リフトで改善しません。もう少し糸リフト、入れるべきですか?
A2 : たるみと言えば、糸リフトというイメージになってます。糸リフトでは、皮下脂肪の位置変化を修正できます。しかし、若い方の場合、表情筋の緊張・皮膚の乾燥なども関与してます。頬杖や姿勢の矯正は、とーっても大切。また、強くマッサージすると、筋膜・靱帯が緩る結果、逆にたるんでしまいます。
美容外科でのオススメは、フェイスラインから顎にかけてのマイクロボトックス、柔らかいヒアルロン酸注入です!
Q3 : 普通時のシワ、改善できませんか?
A3 : いわゆる安静時のシワ。タルミ・過緊張は、表情筋を過剰に働かせてしまいます。そんな緊張した筋肉が、年齢と共に薄くなった皮膚を引っ張り込むと、深いシワが出来てしまいます。こんな時、ボトックス注射で筋肉の緊張をほぐすと、出来てしまったシワを目立ちにくくすることができます。なお、皮下組織や骨のボリューム調節をすると、より良いことが多いです。
Q4 : 法令線シワには、ボトックスが良いですか?
A4: 法令線付近は、顔面表情筋が入り組んでいるエリアとなります。”シワにはボトックス” というイメージだけで打ってしまうと、良い結果は出ません。法令線下の土台が低い場合には、ヒアルロン酸注入・脂肪注入・プロテーゼなどが適応となります。法令線上の盛り上がりが目立つ場合には、脂肪溶解注射や糸リフトが適応となります。
Reserve