「安全で手軽な」ヒアルロン酸の落とし穴

はじめに

「ヒアルロン酸は、安全で、安易に注入できるもの」

そんなイメージを持って来院される方は、少なくありません。

  • メスを使わない
  • ダウンタイムが短い
  • すぐに変化が出る

SNSには症例写真が溢れ、「少し整えるだけ」「プチ整形」という言葉も一般的になりました。美容医療の中でも、ヒアルロン酸注入の心理的ハードルは、下がる一方のように感じます。

実際に、「もっと早くやればよかった」と満足される方も多いです。しかしその一方で、私たちのもとには、不安と後悔を抱えた患者様も数多くいらっしゃいます。

「こんなはずじゃなかった」という声

下北沢スキンクリニックでは、ヒアルロン酸注入後のトラブル相談を多くお受けしています。一番多いご相談は、

  • 「外から触ると、硬い」
  • 「盛り上がって見えて、不自然」
  • 「笑うと形が変になる」

というものです。

そして多くの場合、

  • 「鏡を見るたびに気になってしまう」
  • 「人と話していても視線が気になる」
  • 「たった数ccなのに、こんなに気持ちが揺さぶられるとは思わなかった」

など、メンタル不調にも繋がってしまいます。

ヒアルロン酸は、体に優しい製剤と言われます。しかしながら、仕上がりが不自然であることは、心に大きな負担をかけてしまうのです。

気になって、触ってしまう

違和感があると、人はどうしても触ってしまう特性があります。

  • 硬さを確認する
  • 押してみる
  • 形を整えようとする

しかし実は、この「触る」という行為が、治療をさらに難しくしてしまうのです。

ヒアルロン酸は、注入された層や位置がとても重要です。圧迫が繰り返されることで、本来の位置から移動してしまうことがあります。表層に浮き出たり、広がったり、偏ったり。

患者様は「何とかしたい」という気持ちで触っている。でもそれが、修正をより複雑にしてしまうことがあるのです。

このことは、意外と知られていません。

修正は、簡単ではない

「溶かせば元に戻るのですよね?」と聞かれることがあります。

ヒアルロニダーゼという薬剤でヒアルロン酸を分解することは可能です。しかし、実際の修正治療は決して単純ではありません。

  • どの製剤が使われたのか分からない 
  • どの層に入っているか分からない
  • 何回も重ねて注入されている
  • 触って移動している

こうしたケースがほとんどだからです。

このため、ヒアルロニダーゼを

  • 何cc入れるのか
  • どのエリアに入れるのか
  • どの深さに打つのか
  • 何回に分けるのか

毎回、本当に悩みます。

溶かしすぎればボリュームがなくなる。足りなければ凹凸が残る。

患者様の「元に戻したい」という気持ちと、「できるだけ綺麗に整えたい」という希望。その両方を背負いながら、慎重に判断します。

手軽に見えるからこそ、慎重に

ヒアルロン酸は、正しく使えば非常に優れた治療です。自然な若返りや輪郭形成を可能にする、心強い選択肢です。

「少しだから大丈夫」

「みんなやっているから大丈夫」

そう思ってしまう気持ちは、とても自然です。けれど、体に注入する以上、リスクはゼロではありません。そして何より、“気持ちの負担”が想像以上に大きいことを、私たちは日々実感しています。

ヒアルロン酸は魔法の製剤ではありません。そして、修正が必要になるケースも確実に存在します。だからこそ、

  • 本当に必要かを考えること
  • リスクを理解した上で選択すること
  • 万が一の修正まで見据えて医療機関を選ぶこと

これらを大切にしていただきたいと思っています。

ヒアルロン酸について詳しく知りたい方は,リンクを参照してください↓

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