シミと肝斑(かんぱん)の違いとは?
見分け方と治療法の選び方をやさしく解説
「頬のシミが気になってきたけれど、これってレーザーで取れるの?」
秋から冬は紫外線が落ち着き、シミ治療を始める方が増える季節です。ただし、顔にできる茶色いシミにはいくつかの種類があり、なかでも「肝斑」は治療法の選び方が大きく異なります。
このコラムでは、シミ(老人性色素斑)と肝斑の違い・見分け方・治療法を、図と表を使ってわかりやすくまとめました。
1. そもそも「シミ」にはどんな種類がある?
一般に「シミ」と呼ばれるものには、医学的にいくつかの種類があります。代表的なものは次の4つです。
- 老人性色素斑(日光黒子):紫外線の影響で頬骨やこめかみにできる、境界がはっきりした茶色いシミ。いわゆる「シミ」の多くがこれです。
- 肝斑:頬骨のあたりに左右対称にもやっと広がる、境界がぼんやりした薄茶色のシミ。30〜50代の女性に多いとされます。
- そばかす(雀卵斑):鼻からほほに散らばる小さな斑点。子どもの頃から見られることが多いです。
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):頬骨のあたりに出る、灰色〜青みがかった小さな斑点。皮膚の深い層に色素があります。
実際には複数の種類が混ざっていることも少なくありません。図1で、できやすい場所のイメージを確認してみましょう。
2. シミと肝斑の違い【比較表】
見た目は似ていても、原因や悪化しやすい条件、向いている治療が異なります。
| シミ(老人性色素斑) | 肝斑 | |
|---|---|---|
| 見た目 | 境界がはっきり、濃い茶色 | 境界がぼんやり、薄茶色でもやっと広がる |
| できる場所 | 頬骨・こめかみ・手の甲など、日光が当たる場所に点在 | 頬骨の高い位置に左右対称。額や口のまわりに出ることも |
| 主な原因 | 長年の紫外線ダメージ | 女性ホルモンの影響、紫外線、こすれなどの刺激が関わるとされる |
| 多い年代 | 30代以降、年齢とともに増える | 30〜50代の女性に多い |
| 悪化要因 | 紫外線 | 紫外線、摩擦(洗顔・マッサージ)、強い刺激、妊娠・ピル服用など |
| 主な治療 | シミ取りレーザー(ルビーレーザーのスポット照射)。細かいシミ・くすみが広がっている場合はルビーフラクショナル | 内服薬・外用薬・スキンケアを基本に、低出力のレーザートーニングなどを慎重に組み合わせる |
ここがポイント!
肝斑に強いレーザーを当てると、かえって濃くなることがあります。シミと肝斑が混ざっている場合は、肝斑の治療を先に進めてからシミを治療するなど、順番を考えることが大切です。
3. セルフチェック:あなたのシミはどっち?
当てはまるものが多いほど、肝斑の可能性があります。あくまで目安ですので、最終的な判断は医師の診察で行います。
- ☐ 頬骨のあたりに、左右対称に広がっている
- ☐ 輪郭(境界)がはっきりしない
- ☐ 30〜50代で、最近になって目立ってきた
- ☐ 妊娠・出産やピルの服用をきっかけに濃くなった気がする
- ☐ 季節によって濃さが変わる(夏に濃くなる)
- ☐ 洗顔やスキンケアでよく顔をこする
4. 治療法の選び方
シミ(老人性色素斑)の場合
境界がはっきりしたシミには、メラニン色素に反応するレーザーをシミだけにピンポイントで当てる「スポット照射」が一般的です。当院ではルビーレーザーによるスポット照射を行っています。照射後はかさぶたになり、1〜2週間ほどで自然にはがれていきます。その間はテープでの保護や紫外線対策が必要です。
細かいシミ・そばかす・くすみが広がっている場合:ルビーフラクショナル
顔全体に小さなシミやそばかす、くすみが散らばっている場合は、ルビーレーザーを細かい点状に分けて顔全体に照射する「ルビーフラクショナル」という選択肢もあります。1つずつ狙うスポット照射と違い、広い範囲を少しずつ治療するイメージです。
照射後は細かい点状のかさぶた(マイクロクラスト)が出ることがありますが、スポット照射に比べて一つひとつが小さく、テープ保護が不要なことが多いため、メイクで隠しやすいのが特徴です。1ヶ月おきに数回くり返して、少しずつ薄くしていきます。当院ではケアシスと組み合わせて行うこともあります。肝斑がある方は、照射の適応や出力を医師が判断します。
スポット照射とルビーフラクショナルの使い分け
・スポット照射:濃く、境界がはっきりしたシミを1つずつピンポイントで
・ルビーフラクショナル:細かいシミ・そばかす・くすみを顔全体で少しずつ
両方を組み合わせることもあります。
肝斑の場合
肝斑は刺激で悪化しやすいため、「刺激を減らしながら、時間をかけて薄くしていく」のが基本です。
- 内服薬:医師の判断のもと、肝斑に用いられる内服薬を処方することがあります(持病や服用中のお薬によっては使えない場合があります)。
- 外用薬・スキンケア:肌の状態に合わせた外用薬やホームケアを提案します。
- 低出力のレーザートーニング:肌へのダメージを抑えた弱い出力で、1ヶ月おきに複数回に分けて照射する方法です。
| 治療 | 向いているシミ | 回数の目安 | ダウンタイム |
|---|---|---|---|
| ルビーレーザー(スポット照射) | 老人性色素斑・そばかす など | 1回〜(濃さにより複数回) | かさぶた 約1〜2週間、テープ保護 |
| ルビーフラクショナル | 細かいシミ・そばかす・くすみが広範囲にある場合 | 複数回(1ヶ月おき) | 細かい点状のかさぶた 数日〜1週間程度 |
| レーザートーニング | 肝斑・くすみ | 複数回(1ヶ月おき) | ほとんど目立たないことが多い |
| 内服・外用 | 肝斑 | 数か月単位で継続 | なし |
※ 料金は料金表をご確認ください。
※ 主なリスク・副作用:赤み、腫れ、かさぶた、一時的な色素沈着(炎症後色素沈着)、色素脱失、効果には個人差があります。
※ 美容目的のシミ・肝斑治療は自由診療(保険適用外)です。
5. 肝斑を悪化させないための毎日のケア
- こすらない:洗顔は泡でやさしく。タオルは押さえるように。
- 一年中、日焼け止め:秋冬や曇りの日も紫外線は届いています。
- 保湿をしっかり:乾燥で肌のバリアが弱ると刺激を受けやすくなります。
- 自己判断で強い美白コスメや角質ケアを重ねない:迷ったら医師に相談を。
6. よくあるご質問
- シミと肝斑は自分で見分けられますか?
- 形や場所である程度の目安はつきますが、複数のシミが混ざっていることも多く、自己判断は難しいです。治療法の選択が変わるため、医師の診察で確認することをおすすめします。
- 肝斑にレーザーを当ててはいけないのですか?
- 強い出力のレーザーは肝斑を悪化させることがあります。一方で、低出力のレーザートーニングを内服などと組み合わせて行う方法もあります。肌の状態を診たうえで医師が判断します。
- スポット照射とルビーフラクショナルはどう違いますか?
- スポット照射は、濃くはっきりしたシミを1つずつ狙う方法です。ルビーフラクショナルは、細かいシミやくすみが広がっている場合に、顔全体を細かい点状に照射する方法です。両方を組み合わせることもあり、シミの種類や数を診て医師がご提案します。
- シミ治療はいつ始めるのがよいですか?
- 紫外線が弱まる秋〜冬は、照射後のケアがしやすく始めやすい季節です。ただし季節を問わず、治療中・治療後の紫外線対策は欠かせません。
- 男性でも相談できますか?
- はい、男性の方のシミのご相談もお受けしています。
- カウンセリングだけでも大丈夫ですか?
- はい。シミの種類の見極めと治療の進め方のご説明だけでも、お気軽にご相談ください。
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日本形成外科学会 形成外科専門医/日本美容外科学会(JSAPS)美容外科専門医
形成外科・皮膚科・美容皮膚科・美容外科の診療に携わる。
下北沢スキンクリニック(形成外科・皮膚科・美容皮膚科・美容外科)
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