ニキビ跡の「クレーター」は3種類。凹みの形で治療が変わる理由
美容皮膚科・形成外科|図解コラム 作成:2026年10月9日/改訂:2026年10月11日
ニキビが治ったのに、頬に小さな穴や凹凸が残ってしまう。こうした「ニキビ跡」は、実はすべて同じではありません。
赤みや茶色い色が残るタイプと、皮膚そのものが凹んだ「萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)」では、改善を目指す方法が異なります。凹みも主に3つの形に分けられ、形や深さを見極めることが治療選択の第一歩です。
1.クレーターは主に3種類
| タイプ | 見た目の特徴 | 治療を考える視点 |
|---|---|---|
| アイスピック型 | 針で刺したように、狭く深い穴 | 狭く深い凹みは、表面からの治療だけでは十分な改善が得られないことがあります。深さや範囲を診察し、治療方針を検討します。 |
| ボックスカー型 | 縁が比較的はっきりし、底が平らな凹み | 深さに応じてディスカバリーピコによるピコフラクショナルなどを検討します。深い凹みではレーザーのみで十分な改善が得られない場合もあります。 |
| ローリング型 | 広く、波打つようになだらかに凹む | 皮下の線維性癒着が関係する場合、サブシジョンが選択肢になります。 |
※ 実際には複数のタイプが混在することも多く、見た目だけで治療を決められるわけではありません。
2.色のニキビ跡と凹みの違い
炎症が落ち着いた後の赤みや炎症後色素沈着は、皮膚表面が大きく凹んでいない場合にもみられます。一方、クレーター状の凹みは、炎症などにより真皮の組織が損傷し、十分に再構築されなかったことなどが関係します。
3.サブシジョンとレーザーの役割
サブシジョン:下から引っ張る線維を解除する
ローリング型などでは、皮膚が皮下の線維組織に引っ張られて凹んでいることがあります。サブシジョンは、器具を皮下に通してその癒着を切り離し、凹みの改善を目指す治療です。深いアイスピック型のすべてに向くわけではありません。
ディスカバリーピコ:肌の凹凸・質感を整える
当院ではディスカバリーピコによるピコフラクショナル治療を行っています。皮膚に点状の刺激を与え、修復過程を利用してニキビ跡の凹凸や肌の質感の改善を目指します。患者さんの肌質によってダウンタイムは異なり、深い癒着がある凹みではレーザーだけでは十分な改善が得られないこともあります。
注入治療:凹みや皮膚の状態に応じた補助的な選択肢
当院では、ニキビ跡の状態に応じてプルリアルデンシファイを用いた注入治療を併用することがあります。肌の状態や瘢痕の深さ、他の施術との組み合わせを考慮して適応を判断します。注入治療だけですべての深い凹みが改善するわけではありません。
4.治療の順番は「今のニキビ」から
- STEP 1|炎症を抑える:新しいニキビが繰り返しできる場合は、まずニキビ治療で新たな瘢痕を作りにくくします。
- STEP 2|瘢痕を分類する:色・深さ・形・癒着・肌質を診察し、どこを優先するか整理します。
- STEP 3|治療を組み立てる:目的に合わせて施術を選択。1回での完全な平坦化を前提にせず、経過を見て調整します。
5.ダウンタイムとリスク
| 治療の例 | 起こりうる反応・合併症 | 事前に確認したいこと |
|---|---|---|
| サブシジョン | 腫れ、内出血、痛み、血腫、感染、しこりなど | 出血傾向、内服薬、瘢痕の形や深さ |
| ピコフラクショナル (ディスカバリーピコ) |
赤み、腫れ、かさぶた、炎症後色素沈着、まれに瘢痕など | 肌質、日焼け、炎症の有無 |
| 注入治療 (プルリアルデンシファイ) |
内出血、腫れ、感染、アレルギー、しこり等。製剤ごとの特有のリスクもあり | 適応・既往歴・併用治療 |
反応の程度や回復までの期間には個人差があります。具体的な経過・費用・施術回数は診察時にご案内します。
よくあるご質問
Q.ニキビ跡のクレーターは1回で治りますか?
1回で完全になくなることを約束できる治療ではありません。瘢痕の種類や深さによっては複数回の治療や併用が必要です。
Q.赤みと凹みを同時に治療できますか?
状態によっては併用・段階的な治療を検討します。まず活動性のニキビや炎症の有無を確認します。
Q.ニキビ跡の治療は保険適用ですか?
見た目の改善を目的とするニキビ跡の瘢痕治療は通常、自費診療です。一方、現在のニキビそのものの診療には保険診療の対象となる治療があります。
Q.市販のスキンケアだけでクレーターは消えますか?
保湿や紫外線対策は肌の管理に役立ちますが、深い凹みをスキンケアのみで平坦にするのは難しい場合が多いです。
まとめ|ニキビ跡は「凹みの形」を見て治療を選ぶ
ニキビ跡のクレーターには、深く細いタイプ、縁の明瞭なタイプ、広く波打つタイプがあります。複数が混ざる場合もあるため、見た目を確認し、癒着を解除する治療が必要か、表面の質感を整える治療を優先するかを判断することが大切です。
下北沢スキンクリニックでは、皮膚科・形成外科・美容皮膚科の視点から、現在のニキビと残った瘢痕を分けて診察します。まずはご相談ください。
参考情報
- American Academy of Dermatology Association. Acne scars: Signs and symptoms.
- American Academy of Dermatology Association. Acne scars: Consultation and treatment.
- DermNet. Subcision.
- Practical Aspects of Acne Scar Management (2024).
※本記事は一般的な医学情報です。診断・適応は医師の診察で判断します。効果やリスクには個人差があります。