全身の脂肪吸引は本当に安全なのでしょうか?
◯イントロ
「一度で全身を細くしたい。」
「何回もダウンタイムを取るのは大変だから、一度で終わらせたい。」
このようなご希望をいただくことは少なくありません。
そして、残念ながら、美容外科広告で “全身脂肪吸引” というワードを時々見かけます。
下北沢スキンクリニックでは、全身に及ぶなどの “広い” 範囲の脂肪吸引を一度に行うことには、慎重な立場を取っています。
理由はシンプルです。
脂肪吸引の主目的は、『たくさん脂肪を取ること』ではなく、『整ったボディラインを作ること』だからです。そして、長時間に及ぶ脂肪吸引は、リスクでしかありません。
◯「大量脂肪吸引」は慎重に行うべき
米国形成外科学会(ASPS)のPatient Safety Advisoryでは、総吸引量(脂肪だけでなく吸引された液体を含む)が5L(5,000mL)を超える脂肪吸引を「Large-volume liposuction」と位置付けています。
これは「5Lまでは安全、5Lを超えると危険」という意味ではありません。しかし、5Lを超える症例では、さまざまなリスクが高まるため、より厳重な周術期管理や術後観察が必要とされています。
つまり、「Large-volume liposuction (大量吸引) を行う場合には、通常以上の安全管理が必要になる」ということです。
もちろん、「誰でも5Lまで大丈夫」という基準ではありません。患者様の体格・BMI・基礎疾患によって、脂肪吸引による安全性を総合的に判断します。
◯慎重になるべき理由1 : バイタルサインの変動
脂肪吸引では、脂肪だけではなく、麻酔液・血液・体液も同時に移動するイメージです。
広範囲を一度に吸引すると、
- 出血量の増加
- (麻酔液の吸収、手術侵襲による)体液バランスの変化
- 麻酔使用量の増加
などが重なり、
- 血圧低下
- 頻脈
- 低体温
- 脱水
- 電解質異常
といった全身状態の変化が起こりやすくなります。
美容外科の手術であっても、大量の脂肪吸引は「体への負担が大きい手術」と言えます。
◯慎重になるべき理由2: そもそも、脂肪吸引は、吸引量を競う手術ではない
下北沢スキンクリニックでは、せっかく脂肪吸引させていただくので、もちろん最大限に吸引する努力はしております。
しかしながら、脂肪吸引は、輪郭形成とも言われるように “カタチを整える” 手術です。
そして、過剰に脂肪を除去してしまうと、
- 皮膚のたるみ
- 凹凸
- 左右差
- 癒着
- 不自然なボディライン
などが起こりやすくなります。結果的に、美しいボディラインが出来上がりません。
◯シモキタスキンでは、安全性第一の脂肪吸引を実践しています
当院では、一度に広範囲を無理に吸引するよりも、
- 腹部全体 (上腹、下腹、ウエスト、腰)
- 太もも全体 (外モモ、ウチモモ)
- 二の腕 (二の腕、肩、付け根)
などを計画的に分けて手術することをご提案しております。
患者様にとっては、「一度で終わる方が楽」と感じられるかもしれません。しかし、こちらの方が、一回あたりの身体への負担を軽減できるだけでなく、結果的に安全に手術を終えることができます。
◯まとめ
脂肪吸引は、「どれだけ脂肪を取れるか」を競う手術ではありません。
大切なのは、安全性を十分に確保したうえで、一人ひとりに合った美しいボディラインをつくることです。
「一度で全身を細くしたい」というお気持ちはよく理解できます。しかし、広範囲を一度に吸引することは、身体への負担や合併症のリスクを高めるだけでなく、仕上がりにも影響を及ぼす可能性があります。
下北沢スキンクリニックでは、安全性を第一に考え、患者様の体格やご希望に合わせて無理のない治療計画をご提案しています。
「できるだけ多く取る」のではなく、「安全に、美しく仕上げる」こと。
それが私たちの脂肪吸引に対する考え方です。
脂肪吸引について詳しくは、次のリンクをご参照ください。
https://shimokitazawa-skin.com/menu/private/body/liposuction1/