秋冬になると肌が乾燥してかゆいのはなぜ?原因・保湿・皮膚科受診の目安を解説

秋から冬にかけて、「肌がつっぱる」「すねや背中がかゆい」「粉をふく」「お風呂のあとにかゆくなる」といった症状が増えてきます。

単なる季節的な乾燥と思われがちですが、乾燥が進むと皮膚のバリア機能が低下し、かゆみや湿疹につながることがあります。今回は、乾燥肌が起こる仕組みから、入浴・保湿のポイント、皮膚科を受診した方がよいサインまで、図を交えて分かりやすく解説します。

秋冬になると肌が乾燥しやすいのはなぜ?

秋から冬は気温と湿度が低下し、空気が乾燥します。さらに暖房を使うようになると室内の湿度も下がり、皮膚から水分が失われやすくなります。

皮膚の一番外側にある「角層」は、角質細胞と細胞間脂質などによってバリアをつくっています。このバリアが正常に保たれていると、皮膚内部の水分が逃げにくく、花粉・ほこりなどの外部刺激も入りにくい状態です。

図1 健康な肌と乾燥した肌の違い

健康な肌

  • 角質細胞が整っている
  • 細胞間脂質が十分
  • 水分が逃げにくい
  • 外部刺激が入りにくい

水分を保持しやすい状態

乾燥した肌

  • 角層にすき間ができる
  • 水分が蒸発しやすい
  • 刺激を受けやすい
  • 乾燥・ヒリつき・かゆみにつながる

バリア機能が低下した状態

乾燥すると肌のバリア機能が低下し、かゆみや刺激を感じやすくなります。

乾燥によって角層の状態が乱れると、水分が蒸発しやすくなり、外からの刺激にも敏感になります。その結果、ヒリつきやかゆみを感じやすくなります。

「乾燥」から「かゆみ・湿疹」へ進むことがあります

乾燥肌で特に注意したいのが、「かゆいから掻く」という行動です。掻くことで皮膚が傷つき、炎症が強くなり、さらにかゆみが増すという悪循環に入りやすくなります。

図2 かゆみの悪循環

肌が乾燥する→
バリア機能が低下→
かゆくなる→
掻いてしまう→
皮膚が傷つく→
炎症が強くなる→
さらにかゆくなる

乾燥とかゆみは、掻くことでさらに悪化しやすくなります。

日本皮膚科学会の「皮脂欠乏症診療の手引き2021」でも、皮膚の水分保持機能や表皮のバリア機能が低下すると乾燥が生じ、重症化すると強いかゆみを伴い、皮脂欠乏性湿疹に進むことがあるとされています。

熱いお風呂・長風呂・洗いすぎに注意

寒い季節は熱いお湯に長く入りたくなりますが、乾燥肌の方では入浴方法が症状に影響することがあります。熱いお湯や長時間の入浴、強くこする洗い方は、皮膚表面の脂質を失いやすくし、乾燥や刺激感を悪化させることがあります。

乾燥肌のセルフケアでは、熱すぎないお湯で短時間、やさしく洗い、入浴後すぐに保湿することが基本です。

図3 乾燥しやすい方の入浴・洗浄のポイント

NG おすすめ
熱いお湯 ぬるめのお湯
長風呂 5〜10分程度を目安に
ゴシゴシ洗う 泡でやさしく洗う
入浴後そのまま 入浴後すぐ保湿

洗いすぎや熱いお湯は、乾燥を悪化させることがあります。

身体を洗うときは、ナイロンタオルなどで強くこすらず、必要な部分を中心にやさしく洗いましょう。入浴後はタオルで強くこすらず、水分を軽く押さえるように拭き、できるだけ早く保湿剤を塗ることが大切です。

保湿剤はどう選べばいい?

乾燥肌対策の中心は保湿です。保湿剤にはローション、クリーム、軟膏など、さまざまな剤形があります。

図4 乾燥の程度と保湿剤の選び方

ローション

軽い乾燥に
みずみずしく使いやすい

クリーム

中等度の乾燥に
顔・体に使いやすい

軟膏

強い乾燥に
皮膚を保護しやすい

剤形による特徴は製品によって異なります。大切なのは、部位や症状に合い、無理なく続けられる保湿剤を選ぶことです。

一般的には、ローションは使用感が軽く広い範囲へ塗りやすく、クリームはしっとりした使用感、軟膏は油分が多く皮膚を保護しやすいという特徴があります。ただし、成分や製品によって性質は異なります。

ベタつきが苦手で塗らなくなってしまっては十分な保湿ができません。部位や乾燥の程度、生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。

保湿するタイミングも大切です

保湿剤は、入浴や洗顔の後など、皮膚が乾ききる前に塗るのがおすすめです。乾燥が強い方では、朝・入浴後など1日複数回の保湿が必要になることもあります。

加湿や紫外線対策も忘れずに

暖房を使用する部屋では湿度が低くなりやすいため、必要に応じて加湿器などを活用するのも方法のひとつです。加湿器は定期的に清掃し、衛生的に使用しましょう。

また、紫外線は冬でもゼロにはなりません。特に美容皮膚科でシミ治療やレーザー治療などを受けている方は、季節にかかわらず紫外線対策を続けることが大切です。

こんな症状があれば皮膚科へ

軽い乾燥であれば、保湿や入浴方法の見直しによって改善することもあります。一方、赤みや強いかゆみ、ひび割れ、ジュクジュクした症状などがある場合は、単なる乾燥ではなく湿疹や炎症を起こしている可能性があります。

図5 こんな症状があれば皮膚科へ

✓ 赤みが続いている
✓ 強いかゆみがある
✓ 夜眠れないほどかゆい
✓ 掻いて血が出る
✓ ひび割れて痛い
✓ ジュクジュクしている
✓ 市販の保湿剤でも改善しない
✓ 湿疹が広がっている

単なる乾燥ではなく、湿疹や炎症の可能性があるため、早めの受診をご検討ください。

こうした場合は、保湿剤だけではなく、炎症を抑える外用薬などが必要になることがあります。症状が長引く場合には自己判断でケアを続けず、皮膚科で皮膚の状態を確認しましょう。

美容施術の前に「肌の状態を整える」ことも大切です

秋から冬は、シミ・毛穴・ニキビ跡などの美容治療を検討される方も多い時期です。しかし、強い乾燥や湿疹、赤みがある状態では、施術による刺激が強く出ることがあります。

乾燥・赤み・かゆみが強い場合
まず皮膚の状態を診察 → 必要に応じて炎症や乾燥を治療 → 肌が安定してから美容施術を検討、という順番が適していることがあります。

「皮膚科を受診すべきか、美容皮膚科へ相談すべきか分からない」という方も少なくありません。下北沢スキンクリニックでは、皮膚科・形成外科の保険診療と、美容皮膚科・美容外科の診療を行っています。皮膚の状態を確認したうえで、まず治療が必要なのか、美容施術が適しているのかを判断します。

まとめ

秋冬の乾燥肌は、湿度の低下や暖房、熱いお湯、長風呂、洗いすぎなどによって悪化することがあります。

「乾燥してから保湿する」だけでなく、乾燥させにくい生活習慣をつくることが大切です。

ぬるめのお湯、やさしい洗浄、入浴後の保湿を意識してみてください。赤みや強いかゆみ、ひび割れ、ジュクジュクした症状などがある場合には、早めに皮膚科へご相談ください。

参考資料

  1. 日本皮膚科学会「皮脂欠乏症診療の手引き2021」
    https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/131_2255.pdf
  2. 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」
    https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/ADGL2024.pdf
  3. American Academy of Dermatology Association. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.
    https://www.aad.org/public/everyday-care/skin-care-basics/dry/dermatologists-tips-relieve-dry-skin

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