ワキガ皮弁法|10代女性|一度手術を受けても残った臭いに、再手術という選択

写真1|ワキガ再手術の術前

「ワキガの手術を受けたのに、まだ臭いが気になる」——そのようなお悩みで受診された、10代女性の再手術症例をご紹介します。

今回は、他院での手術から1年以上が経過しても臭いが残っていたため、診察・術前評価を行ったうえで皮弁法(剪除法)による再手術を実施しました。術中に確認した所見と、術後1か月までの経過を写真とともに解説します。

術前の状態|一度手術を受けても臭いが残っていた

1年以上前に他院でワキガ手術を受けており、脇の傷跡は比較的きれいに治っていました。しかし、手術後も臭いが残るとのことで当院を受診されました。

診察時のガーゼテストでもワキガ特有の臭いを確認したため、アポクリン汗腺が残存している可能性を考え、皮弁法による再手術を行う方針としました。

ワキガ皮弁法再手術症例 写真1
写真1:術前。他院でのワキガ手術から1年以上経過。傷跡は比較的目立ちませんが、診察時に臭いの残存を確認しました。

術前デザイン|前回の傷跡と癒着を考慮

青い点線で囲んだ範囲が、今回アポクリン汗腺を除去する予定のエリアです。青い実線は前回手術の切開線を示しています。

再手術では、既存の傷跡や皮下の癒着を考慮しながら、広い範囲を十分に確認できるよう、赤い線を今回の切開位置として新たに設定しました。皮膚を丁寧に剥離し、残存が疑われるアポクリン汗腺を目で確認しながら除去していきます。

ワキガ皮弁法再手術症例 写真2
写真2:術前デザイン。青い点線は今回の除去予定範囲、青い実線は前回の切開線、赤い線は再手術で予定している切開線です。

術中所見|左側に多く残っていた汗腺組織

皮膚を翻転して確認すると、特に左側には、前回手術後もアポクリン汗腺を含むと考えられる腺組織が広く残っていました。

術中写真では、皮膚の裏側に黄白色の粒状組織が確認できます。今回の再手術では、皮膚の血流を損なわないよう注意しながら、これらの組織を丁寧に除去しました。

ワキガ皮弁法再手術症例 写真3
写真3:術中所見(左側)。皮膚裏面に、アポクリン汗腺を含むと考えられる黄白色の組織が広く残っていました。

術中所見|右側にも残っていた汗腺組織

前回の切開線付近では一部の組織が除去されていましたが、その周囲にはアポクリン汗腺を含むと考えられる組織が残存していました。臭いが残っていた原因の一つと考え、範囲を確認しながら慎重に処理しました。

ワキガ皮弁法再手術症例 写真4
写真4:術中所見(右側)。前回切開線付近で一部処理されている一方、周囲に汗腺を含むと考えられる組織が残っていました。

除去した組織|瘢痕を丁寧に剥離

再手術では、前回の手術によって生じた瘢痕組織の中にも、汗腺を含むと考えられる組織が残っていました。瘢痕による癒着を丁寧に剥離しながら、残存組織を瘢痕組織とともに除去しました。

ワキガ皮弁法再手術症例 写真5
写真5:除去した組織。前回手術による瘢痕組織を丁寧に剥離し、残存する汗腺を含むと考えられる組織を除去しました。

術後4日目|圧迫固定解除直後

圧迫固定を解除した直後の状態です。術後間もない時期のため、脇から周囲にかけて内出血が目立っています。内出血や腫れの程度、回復までの期間には個人差があります。

ワキガ皮弁法再手術症例 写真6
写真6:術後4日目。圧迫固定を解除した直後で、脇やその周囲に内出血が目立ちます。

術後1週間|抜糸直後の状態

術後1週間で抜糸を行いました。内出血は改善傾向にあり、黄色調の変化や切開部の赤みなどが残っていますが、創部はおおむね順調に治癒していました。

この時点で患者様からは「気になっていた臭いは全くない」とのお話がありました。ただし、臭いの経過には個人差があり、長期的な効果を判断するには継続した診察が重要です。

ワキガ皮弁法再手術症例 写真7
写真7:術後1週間(抜糸直後)。内出血は改善傾向ですが、黄色調の皮膚変化や切開部の赤みが残っています。患者様は臭いの改善を実感されています。

術後1か月|傷跡と臭いの経過

術後1か月では、術後早期に目立っていた内出血はほぼ消失し、傷も問題なく治癒しています。切開部にはまだ赤みや硬さが残っていますが、経過観察を続けていく時期です。

再手術では瘢痕組織の影響により、初回手術よりも腫れや皮膚の硬さが長引く場合があります。今後、数か月かけて赤みや硬さの変化を確認していきます。

患者様からは術後1か月の時点でも「気になっていた臭いはなくなった」とのお話がありました。引き続き、創部や臭いの経過を丁寧に確認します。

ワキガ皮弁法再手術症例 写真8
写真8:術後1か月。内出血はほぼ消失し、創部は治癒しています。切開部に赤みや硬さは残っていますが、患者様からは気になっていた臭いはなくなったと伺っています。

再手術を検討するときに大切なこと

ワキガ手術後に臭いが残る理由は一つとは限りません。汗腺組織の残存だけでなく、臭いの種類、皮膚の状態、過去の手術範囲などを評価することが大切です。

また、再手術では前回手術の瘢痕や癒着により剥離操作が難しくなることがあり、血流障害や傷跡などのリスクにも配慮が必要です。すべての方に再手術が適するわけではありません。

治療内容・費用・主なリスク

  • 治療内容:腋臭症に対する皮弁法(剪除法)の再手術。切開・皮下剥離を行い、汗腺を含む組織を直接確認しながら除去します。
  • 費用の目安:当院の両側皮弁法は、保険診療・3割負担の場合、通常約42,000円が目安です。再手術への保険適用の可否や実際の自己負担額は、診察内容・保険負担割合などにより異なります。
  • 主なリスク・副作用:内出血、腫れ、痛み、感染、血腫、皮膚の血流障害・壊死、傷跡、色素沈着、拘縮・引きつれ、臭いの残存や再燃など。
  • 術後経過:圧迫固定や創部の安静が必要です。今回の写真は術後4日目、1週間、1か月の経過であり、結果には個人差があります。

最後に|ワキガ手術後の臭いでお悩みの方へ

下北沢スキンクリニックでは、形成外科専門医・美容外科専門医が症状やご希望、過去の手術歴を丁寧に確認し、お一人おひとりに適したワキガ治療をご提案します。

診察当日の手術にも対応しておりますので、まずはWEBからお気軽にご予約ください。なお、当日手術は診察結果や予約状況によってご案内できない場合があります。

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※掲載の術後経過は一症例のものであり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。

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